カープと父
父「初めてカープを観に行ったときのことを、わしゃぁ今でもよぅ覚えとるで。
市民球場がまだなかったけーのう」
私「そうなんじゃ」
父「横川駅で乗り換えんといけんかったんよ」
私「どこだったん」
父「観音の県営球場ようね。
球場まで歩いていくところの両脇には出店がようけ並んどってのぉ、
麦わら帽子をお父さんに買うてもろうたのを覚えとるわい」
私「夏だったん」
父「そりゃ忘れたけど、あの頃はナイター無いけえね。デーゲームじゃけ暑いんよ」
子供の父が、若かった祖父に買ってもらった麦わらを嬉しそうにかぶるのを想像したら、
先日お見舞いに行ってほとんど喋れなくなった96歳の祖父が浮かび、
人生と時間の流れについて考えた時間でした。